チャリティーのあゆみ

海外援助の歴史

第3回、アジア・アフリカ難民に対する支援から始まった海外援助は、現地の状況が変化するにつれ、緊急支援から復興、開発援助へと、その取り組み方も大きく変わっていきました。 援助とは決して一方的に与えるものではなく、活動を通して共に考える場をつくっていくこと。そして最終的には、住民自らの手で健全な生活を送ることができるようになることが大切。 こうした精神のもと、これまでに20か国以上の国々で活動を行ってきました。

アフリカ

●エチオピア
内戦のため大量の難民が発生。また、重ねて襲った大干ばつによる飢餓が深刻となり、そのニュースは世界中に伝えられました。この飢餓にあえぐ人々を支援するため、医師・看護士を派遣、ウォロ州シリンカに救援センターを設置し、被災民の治療および給食活動に従事しました。また、小麦の配給、給水車により飲料水供給活動を行いました。その後、緊急段階を脱したクラマソでは、復興プロジェクトを開始、無医村につくられた診療所を中心に、ヘルスワーカーの育成、予防接種などを実施しました。農業分野では、植林・土壌保全、野菜の普及事業を行い、さらに、地理的に孤立していたこの地に、医薬品・資材の運搬ができるよう、農民参加により33kmにわたる自動車道路を建設しました。
●ケニア
スラムの生活向上のため、浄水器、医療品、文具などを贈呈しました。
●ルワンダ、ウガンダ
ウガンダを追われた難民キャンプへの支援として、物資輸送用トラック、ジープ、救急車などを贈呈、合わせて子供のための栄養剤、洋服なども贈りました。
●ザイール(現在のコンゴ)
栄養失調児の救済のため、薬品、栄養剤、医療器具などを贈りました。
●モザンビーク
エチオピアと同様、干ばつによる飢餓に襲われた人々に食糧援助、医薬品を贈りました。
●南アフリカ
黒人居住区内のクリニックに医薬品を贈呈しました。

アジア

●アフガニスタン
20年以上続いた内戦で多くの学校が破壊されました。また、多数の教師が殺害、あるいは国外に流出し、教育を受ける機会が失われてしまいました。国の将来を担う子供たちが、より良い教育を受けられるよう、学校建設に加え、教員研修および地雷回避教育を行いました。
●インド
マザ-テレサ共労者会に乾パンを贈りました
●ネパール
  • 白内障患者の多いと言われるインド国境のナラヤニゾーンにおいて、眼病の治療および失明予防のためのプロジェクトを実施。
  • 日本から定期的に眼科医を派遣し、野外での眼科手術や治療を行うアイキャンプを実施。
  • 国境の町にあった小さな眼科病院を拠点として、病院の改築、医療技術移転、スタッフの育成を行い、2000年に自立。
  • 眼科の医療施設の無い国境の町ゴールに新しく眼科病院を建設。インフラ整備、機材の投入、医療技術移転、マネージメントスタッフの育成に努め、地域で信頼される眼科病院として、経済的にも自立を果たしました。
●バングラデシュ
  • 農村地域の自立を支援するため、学校を建設、識字教育を行いました。未就学の子供たちだけでなく、成人男女も学びました。また、学校の足を確保するために、4WDの車両を贈呈。
  • またサイクロンや洪水の被害を受けた地域に、教育施設、井戸、給水施設、医療機械などを贈呈しました。
●タイ
バンコクのクロントイスラムの子供たちに奨学金を支給。また児童図書館に本、映写機などを贈呈しました。その他、東北部のスリン県に井戸を建設、視力障害者の職業訓練用に電話交換機などを贈りました。
●カンボジア
  • 国境地帯の難民キャンプに診療所を建設、医療品を贈りました。 ポルポト時代に破壊された教育システムの復興のため、教育省に対して教科書印刷を行うための印刷機材や資材を寄贈。合わせて印刷技術指導を実施しました。
  • 結核研究所にレントゲン、予防接種プログラム用に車両を寄贈。 さらに病院に浄水施設を設置。
  • カンダルストゥン郡において、医療・保健に係わるプロジェクトを実施。機能を失った病院の病棟建設、機材投入、医療技術移転を行いました。また、飲料水供給事業として、井戸建設と同時に、技術者の育成も行いました。さらに、村での保健活動を展開し、母親グループを中心とした住民グループを育成、住民自ら問題解決ができるようになりました。
●ベトナム
ホーチミン市の病院に超音波診断装置、薬品など贈呈。また、障害児施設に車いすを贈りました。戦争で使われた枯葉剤などの影響でベトナムにはたくさんの障害児がいました。
●フィリピン
  • ユニセフ、マザ-テレサ共労者会などに車いすを贈呈。
  • ミンドロ島に住むハンセン氏病患者に食糧、医薬品を贈呈。
  • 砂糖価格の暴落により打撃を受けたネグロス島に飢餓が発生、粉ミルク、乾パンなどを贈るとともに、医師・看護士を派遣しました。
  • マニラのスラムにおいて乳幼児予防接種を実施。また、コミュニティ・センターを設置し、5,000家族を対象に、保健医療、保育園の運営、教育、職業訓練、生活向上などの活動を実施しました。
  • ピナツボ火山噴火による被災民に対して救援活動を実施。地元にキャンプを設置して、医療、住宅資材の提供、栄養失調児への給食活動を行いました。さらに住民の自立につながるよう識字教育、生活向上活動を実施しました。
●中国
上海のリハビリ施設に筋ジストロフィ-症治療のためのリハビリ浴槽を贈呈。また、元満州と呼ばれた黒龍江省にCTスキャナーを贈り、担当医師の訪日研修も合わせて実施しました。
●韓国
日本で原爆に被爆した在韓被爆者のために、入院治療費を援助しました。